1.子宮脱とは?
先ず子宮は骨盤内に位置する臓器で、通常は骨盤底筋と呼ばれる筋肉、筋膜、靭帯などで支えられています。それらが緩んで弱くなってしまい、子宮の一部もしくは全部が飛び出した状態を子宮脱と言います。子宮脱とは、「骨盤臓器脱」のうちの1つで、ほかには膀胱瘤、直腸瘤があります。
2.原因は?
一番は出産になります。出産時に骨盤底の筋肉や靭帯を損傷し、加齢に伴って骨盤底筋がどんどん緩くなり、臓器を支えきれなくなって起こります。なので一般的には出産経験がなかったり、帝王切開での出産であれば、子宮脱を起こす事はほとんどないと言われています。
ただ日常生活においても子宮脱を起こしかねない要因があります。それは腹圧が高い事です。腹圧が高くなる時として考えられるのが、排便時に過度にいきむ、咳、重い物を持つなどです。後は肥満も注意が必要です。
3.症状は?
初期ならほぼ無症状です。腹圧が高くなった時に何かが出てくる感じがするものの、腹圧が低くなると感じなくなります。この状態から進行すると、何かピンポン玉のようなものが触れるようになります。こうなると自然には戻らなくなるので、自分で押し戻さなければならないです。さらに進行すると、股の間に何かが下がってる感じがします。こうなると臓器が脱出している状態で、戻す事も難しくなります。
このままの状態にしておくと、脱出した臓器が下着に擦れ、炎症もしくは出血などが起きます。更には排尿障害、排便障害を起こすこともあります。
4.一般的な治療法
主に骨盤底筋体操、ペッサリー、手術になります。
予防法として程度に関わらず、骨盤底筋体操は必須と言えます。これについては後述します。
ペッサリーとは、子宮の脱出を抑えるために使うリング状の器具の事です。これを装着して子宮の下垂・脱出を防ぎます。装着も短時間で出来る為、負担はかからないです。ただし膣の中で炎症、出血などが起こる可能性がある為、2~3ヵ月ごとの受診が必要になります。
また根本的な治療ではないので、子宮脱が進行していく場合があります。
これらでは改善が見込めない場合、手術になります。手術法は数種類あり状態により選べますが、再発の可能性もあります。
5.骨盤王国の考え方
一番重要な事は、日頃から身体のバランスを整えておくことです。子宮脱ですと骨盤のみに焦点がいきがちですが、そもそも骨盤のバランスを整えるためには上半身、下半身、前後、左右と全て整えてあるのがベストです。身体は全身繋がっているので、一部分を整えるためには、全身を整える必要がある事を覚えていて下さい。
その上で子宮脱の場合、出産・加齢によって骨盤底筋が緩むのが原因で起きているので、骨盤底筋をしっかりと動かせるようになる事が、一番の予防策になります。いわゆる骨盤底筋体操です。①肛門・膣を締めたり、緩めたり、を5回前後繰り返す。
②ぎゅっと締めて2~3秒程キープする。その後ゆっくり緩める。これを5回前後繰り返す。
③締める時間を少しずつ長くする。
④1回5分程度から始めて、徐々に長くする。
これを参考にやってみて下さい。慣れれば立っていても座っていても締められるようになるので、場所を問わず行なう事が出来ます。
これが出来ない場合、もしかしたら骨盤のバランスが悪い事が原因かもしれません。この骨盤のバランスの悪さも、脚からの問題で骨盤が影響を受けている場合や、上半身からの問題で影響を受けている場合など色々と考えられます。
なので当店が大事にしているのが、
- ●どこからの問題なのか、全身を検査する。
- ●ソフトな刺激で調整しバランスを整える事で、体の回復力を上げる。
- ●正しい身体の使い方を教える。
これらを軸に施術を行っていきます。このやり方が一番結果を出し、持続させられる方法だと考えています。
6、最後に
子宮脱について理解はされましたか?
軽度の状態であれば、体を整えて動かすのが最善の予防策になります。子宮脱をはじめとした骨盤に関する問題で悩まれている方は、是非一度ご来店ください。